バンドギャップの大きい半導体を指し、広禁制帯幅、高絶縁破壊電界、高飽和電子速度、高熱伝導度などの優れた物性を持ちます。
これらの特長により、高耐圧デバイス、高周波高出力デバイスなど、既存の主流半導体であるSi (シリコン)やGaAs(ガリウムヒ素)では、物性的限界のために実現できなかった領域で動作する、次世代デバイス半導体として注目されています。
パワー半導体分野は、これまで他の半導体分野と同様、シリコン(Si)を材料に用いたデバイスが主流です。しかし、さらなる高耐圧、低損失なパワー半導体を作製するには物理的な限界に直面しつつあり、Siよりも電気的特性に優れる新たな半導体材料を用いた次世代パワー半導体の開発が活発化しています。
ワイドギャップ半導体デバイスの大きな特長の一つに、高温動作があります。パワーデバイスの熱抵抗の低減やヒートシンクや接着材料の改良、ヒートシンク一体モジュールなどにより、放熱特性を改善する試みが研究されています。応用に合わせた接合温度と周囲温度の設計が、より重要になるものと思われます。
ワイドギャップ半導体パワーデバイスは、高耐圧、低損失、高速スイッチングの特性を兼備しているので、ワイドギャップ半導体デバイスの特性に適した回路設計が望まれます。高周波化による受動部品の小型化、素子数低減によって、電力変換装置として小型・軽量化するトータル技術が重要。次世代の高圧電力変換回路として、双方向パワーフローを実現できる双方向絶縁型DC/DCコンバータなどが有望です。
セラミックフォーラム(株)では、2008年よりSiCエピサービスを開始しており、顧客の要望に応じて、N型、P型、600Vデバイス用エピ~6500Vを超える超高耐圧デバイス用エピまで、あらゆる仕様に対応しております。2011年現在、スウェーデンNorstel社、Ascatron社の2社のエピサービスを取り扱っております。